Raspbian Buster に最新版 Nginx をインストール(2020/04)

2020/4/21にNginx 1.18.0が、Stable version(安定版)として公開されました。
参考として、このときの Mainline version は 1.17.10 でした。

過去に投稿した Mainline version のインストール記事をベースにして、Stable version(安定版)のインストールを行う、手順の差分を作業シーン毎に記載します。

Mainline version と、Stable version のインストール手順差の概要は、リポジトリの参照先の違いになります。
・Mainline http://nginx.org/packages/mainline/debian
・Stable http://nginx.org/packages/debian

1. 初めてNginxパッケージのビルドを行う場合

過去のMainline version のインストール記事を参照しながら、4.項の「Nginx ソースパッケージのリポジトリ情報を追加」の手順部分を下記の様に変更します。

# echo "deb-src http://nginx.org/packages/debian `lsb_release -cs` nginx" >> /etc/apt/sources.list.d/nginx.list
# apt update
#

その他の手順の流れに変更はありません。

2. 既にNginxパッケージのビルドを行った事がある環境の場合

過去のMainline version のインストール記事を参照して、既に「Nginx ソースパッケージのリポジトリ情報を追加」済の場合は、下記の手順でリポジトリ情報の設定を修正します。

まず、設定を確認します。

# cat /etc/apt/sources.list.d/nginx.list
#

次に、リポジトリ情報のURLから ” /mainline ” の記述部分を削除します。
下記の手順では、vi 等のエディタを使用せずに、sed コマンドを用いて該当箇所を編集する手法を使用しています。
(参考:” mainline “文字列の後ろのバックスラッシュ(または、”\”文字)は、sedコマンドの標準区切り文字(デリミタ:delimiter)である” / “をエスケープ処理して、通常文字として扱うための処理。

# sed -i 's/mainline\/debian/debian/g' /etc/apt/sources.list.d/nginx.list
#

設定が変更されたことを確認します。

# cat /etc/apt/sources.list.d/nginx.list
#

次に、Nginx ソースパッケージのリストの更新を行います。

# apt update
#

これ以降の作業は、Mainline version のインストール記事の、6.項以降を実行してください。

3. Nginxリポジトリを ” stable ” から ” mainline “に戻す

上記、2.項の手順でNginxリポジトリ情報を修正した場合は、下記の手順で戻すことができます。

まず、設定を確認します。

# cat /etc/apt/sources.list.d/nginx.list
#

次に、リポジトリ情報のURLに ” /mainline ” の記述部分を追加します。
下記の手順では、vi 等のエディタを使用せずに、sed コマンドを用いて該当箇所を編集する手法を使用しています。

# sed -i 's/debian/mainline\/debian/g' /etc/apt/sources.list.d/nginx.list
#

設定が変更されたことを確認します。

# cat /etc/apt/sources.list.d/nginx.list
#

Nginx ソースパッケージのリストの更新を行っておきます。

# apt update
#